タイトル:美味湖の水
掲載号:'95年3月号
登場人物:桐島部長,麻宮,白須賀,愛佐,津久美,副部長
あらすじ:

 活動にうるさい副部長が入院しているのをいいことに、美術部はお茶会をひらく日々。部長の桐島が優雅にお茶を飲んでいると、「副部長が退院しちゃいました〜」と麻宮が駆け込んでくる。
 麻宮は出されたお茶に映った霊を一瞬見る。
 愛佐いわく、今日のお茶は名水「美味湖の水」を使ったとのこと。そこへ突然お菓子を食いながら現れた幽霊部員・津久美は、美味湖にこの間写生しにいったところだと言う。津久美の描いた絵には、湖に浮かぶ水死体が・・・。そしてお茶をうっかり飲んでしまった麻宮は、突然自分の首をしめだす。とめる桐島に、女のように抵抗する麻宮。水死体女の霊に取り憑かれてしまったのだ。
「水に魂をとかして それを飲んだやつをみちづれにしてやろうと思ったの」と女の霊。
 なんとかしようと桐島が、津久美に描かせたエゲツない副部長の似顔絵を「くらえ!」と憑依された麻宮に見せると、怖いよ〜と泣き出す。涙とともに女の魂も流れ出るが、今度は白須賀に取り憑いてしまう。さっきの絵も効かなくなったので、さらにエゲツない化け物副部長の絵(全身画)をふたたび津久美に描かせ、追いかけまわす。
 やっとのことで汗とともに魂が流れ出すが、今度はなんと退院して部活にやってきた本物の副部長に取り憑いてしまう。「何なのよこの化け物は!」と悲鳴をあげて嫌がる女の霊と、お手あげだと言う津久美。
 桐島は黙って津久美にパレットナイフを握らせ「みちづれを作ってあげよう」と二人で副部長を切り刻む。しかし血液も液体! 分裂して桐島と津久美ふたりが取り憑かれる。心中するように抱き合うふたり。だが、下半身はもとの二人の意志で動いていた。二人の足はすかさずトイレに向かい、女の霊はトイレに流される。とりあえず一件落着。
 「また入院だけど部活さぼるんじゃないわよ」と血まみれになりながらもまだ生きている副部長。美術部のお茶会はまだ続きそうだ・・・。

備考:
 扉ページには「芸術的(アーティスティック)・学園青春(ハイスクールドタバタ)ホラー」とある。全16ページ。

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